脳梗塞や心筋梗塞だけじゃない~EPAによるがんの免疫療法~

がんと炎症作用の関連性

炎症とがんには切っても切れないくらいに密接な関係があることが分かっています。がんが発生する前、発生箇所に炎症が起こります。また、慢性的に炎症を起こすことでがんになる確率が高くなるものもあります。ここで、慢性的な炎症が原因で発症するがんの種類を紹介します。

慢性的な炎症が原因で発症するがんの種類

肺がん
肺がんは、C型肝炎ウイルスが感染することによって起きます。C型肝炎ウイルスが感染すると、肝臓に炎症を起こしますが、それを放っておくと、肝臓の細胞を破壊し、慢性肝炎や肝硬変へと症状が悪化してしまい、肺がんまで進んでしまいます。C型肝炎ウイルスは、血液感染や体液に触れることで感染してしまい、それ以外で感染することはありません。急性C型肝炎を発症すると、肝臓が炎症しますが症状が軽いため、気が付かずに慢性化してしまいます。肺がんを引き起こすまでにはウイルス感染からいくつかの段階があります。しかし、がんが発生する前には必ず炎症を起こします。慢性化した炎症から発生するがんもあり、がんと炎症の関係は密接なものと考えることができます。
食道腺がん
逆流性食道炎とは、胃と食道の間で胃酸が逆流し、その結合部分で炎症を繰り返します。炎症を起こすと自然に細胞の再生を始めます。しかし、また胃酸が逆流することで炎症を起こすので、炎症と再生を繰り返すことになります。これを繰り返すことで食道の粘膜が胃粘膜に似たものに変化します。この変化した部分を「バレット食道」と言いますが、バレット食道に変化した人は食道腺がんになりやすくなります。その発生率は通常の食道の人の10倍ほどの確率と言われています。食道腺がんの始まりも食道粘膜の炎症から始まります。食道腺がんも慢性的な炎症からがんが発生するため、炎症とがんの関係が切り離せないものということがより理解できます。
胃がん
肺がんや食道腺がんのように胃も慢性的な炎症からがんになります。胃の炎症の事を胃炎と言いますが、ストレスや食べ物による炎症は急性の炎症で、慢性の炎症はヘリコバクターピロリ菌によるものと言われています。ヘリコバクターピロリ菌が胃にあると必ず炎症を起こすわけではなく、何かしらのきっかけがあることで胃の粘膜が弱まり炎症を起こしてしまいます。この炎症の事を「萎縮性胃炎」と言います。胃炎の自覚症状を感じることなく過ごしている人もいますが、実際には慢性胃炎を起こしていて、人間ドッグなどの検査で発覚する人も多くいます。ヘリコバクターピロリ菌による慢性的な炎症を起こすと、胃がんになる確率が通常の人に比べて5倍ほどに上がります。
診察

このように、慢性的な炎症はがんと大きく関係していることが分かります。慢性の炎症を患っている人の中には、自覚症状を感じないままに過ごして、がんを発症させるまで気が付かない人もいます。定期的な検査や身体に少しでも以上を感じたら、病院へ行き検査を受けるようにしましょう。早期発見できる可能性が大きく高まります。

炎症作用を抑えるEPA

肺や食道、胃の慢性的な炎症でがんが発生することが分かっても、どのようにがんを発生させないようにすればいいのでしょうか。実は、EPAは免疫療法でがんの細胞の増殖を防ぐだけではなく、炎症を抑える効果もあるのです。

EPAには抗炎症作用がある

EPAには炎症を抑制する効果があると聞きましたが本当ですか?
以前からEPAが炎症を抑える効果があることは知られていますが、詳しいことはまだわかっていません。炎症は、ウイルスや菌によって傷ついた細胞をもとに戻そうとする働きの状態です。この炎症が続き、慢性的になると、がんの発生率が高くなります。この炎症をEPAの投入で改善することが出来れば、がんの発生を抑制することにも大きな期待を持つことが出来ます。炎症早く発見することさえできれば、がんができる前に正常の状態に戻せるかもしれないからです。EPAが炎症を抑えるときに、代謝産物として発生するレゾルビンという成分が関係していると考えられており、現在その研究が続いています。

EPAを用いたがん免疫療法

医師と患者

EPAが炎症を抑制したり、がん細胞の増殖を抑えたりする効果があることは知られています。他にも細胞を正常に機能させたり、免疫力の改善をしたりという効果があります。そのため、がん免疫療法の歴史的に見てEPAやDHAといった天然物から抽出された成分を用いる治療法は存在しています。まだはっきりと詳しいことはわかっていませんが、EPAの抗炎症作用に関する研究がさらに進めば、がん治療もさらに進歩することが考えられます。世界的に注目を浴びているEPAなので、研究の成果が出ることでがん免疫療法もさらに有効的な効果を発揮することでしょう。

がん治療においてEPAを利用する目的

EPA単体でがん治療を行なうわけではない(免疫療法研究者)

EPAは、がん細胞の増殖を抑える効果があると言われていますが、EPAだけを投与しただけではがん性悪質液の状態を改善する効果は認められないという結果が報告されています。EPAの投与はがん治療において、がんそのものを消したり小さくしたりするわけではありませんが、他の治療と合わせることで倦怠感や体重が減る症状を抑える効果があります。がん症状改善に対して好色なアプローチが期待できるEPAと免疫療法を組み合わせることによって、がん治療の効果を高める……というのが目的なのです。EPAの研究が進むことで、今後のがん免疫療法の進歩に期待がもてるでしょう。

TOPボタン