- 注目のEPA効果 >
- 適切な摂取量と摂取方法
EPAはどの程度摂取したらいいのか

EPAはがん細胞の増殖を抑制するため、免疫療法などで注目されているものです。がんや心筋梗塞、脳梗塞にも効果があるとされていて、積極的に摂取することで、これらの病気を未然に防ぐことが出来るとされています。しかし、その摂取量はどのくらいなのでしょうか。
EPAの摂取量について
- EPA摂取量に関する研究結果
- EPAを摂取することでがんなどの病気を予防出来る可能性は高くなりますが、どのくらいの量を摂取すればその効果を発揮することが出来るのでしょうか。EPAの血中濃度についてまとめられた研究によると、1日2gのEPAを摂取し、それを2週間継続することでEPAの血中濃度は300μMほどまでに上がることが報告されています。その数字はがん細胞を抑制するのに効果的な濃度と報告されています。
- 厚生労働省が推奨するEPA摂取量
- EPAを健康維持のために摂取するとした量は1日1gで、圧生労働省が推奨している量です。脂ののった魚はEPAが豊富に含まれており、量は90g以上の切り身、マグロのトロの場合は2~5切れ、ハマチの場合は3~5切れほど食べる必要があります。熱を通す調理方法では20%ものEPAが失われるため、できるだけ生のまま新鮮な状態で食べる方が良いです。しかし、魚の種類によっては調理してもそれほど成分を失わないものもあります。
EPAやDHAの体内生合率
- EPAやDHAって人間の体内では生成されないのでしょうか?
- オメガ3系脂肪酸やオメガ6系脂肪酸は生体内で合成されることはありませんが、EPAとDHAに関してはαリノレン酸から返還されることが分かっています。そのため、EPAやDHAは人の対内で作られますが、その量はほんのわずかで1%にも達しません。哺乳類が体内で生成することが出来ない脂肪酸を必須脂肪酸と言います。これは生命維持には欠かせないものなので、食事で摂取する必要があります。DHAが体内で不足すると、アルツハイマー病やうつ病、注意欠陥多動性障害を発症させる確率が高くなってしまいます。病気を予防するためにも普段から意識した食事でEPAとDHAを摂取することが大切なのです。
食品からEPAを摂取する
EPAを食事から摂取することで健康維持することができ、様々な病気から身を守ることが出来ます。有効的に摂取するためにもどの食品にEPAが多く含まれているのかを知ることが大切となります。同じ魚でもEPAが多く含む種類を把握しましょう。
まずはEPAを多く含む食品を知ろう(生食の場合)
- さんま:890mg(可食部100g当たりの含有量)
- ぶり:940mg
- イワシ:1200mg
- カツオ:400mg
日本人に馴染みのある魚には、多くのEPAが含まれています。日本人はその魚を生で食べるため、EPAをほとんど失わないまま摂取することが出来ます。魚は熱を通す調理方法でよりおいしく食べることができます。生魚が苦手という人は、調理後もEPAの含有量を高く保っている魚を積極的に取るようにしましょう。例えばさんまは生の状態で890mgのEPAが含まれています。調理をすることで含有量は減りますが、それでも650mgは摂取することができます。元々EPAの含有量が多いイワシも、さんま同様調理された後であっても多くのEPAを摂取することができます。生の状態で魚を食べることが出来ないという人は、調理しても含有量が多い魚を食べるようにしましょう。ストレスを感じることなくしっかりEPAを体内に取り入れることができます。
1日に必要な量のEPAを食品だけで摂取するのは大変
健康維持のために食品から1日に必要なEPAを摂取するとなると、大変な量の食品を食べないといけなくなります。例えばEPAをたくさん含んでいるぶりでも20切れほどの量を毎日食べないといけないことになってしまいます。ぶり20切れを3食に分けたとしても、毎日それを用意して食べるということはとても大変なことです。用意することが出来ても毎日食べるとなると飽きてきてしまい、食べる気にならなくなる可能性が高くなります。EPAの含有量が多いぶりでこの量となるので、それよりもEPAが少ない魚の場合はもっとたくさんの量を食べなくてはいけないことになります。毎日必要な量のEPAを摂取することは大変であるため、日常生活に食品以外でEPAを摂取する工夫をしなくてはいけません。
食品以外でEPAを摂取する方法
食品から1日に必要な量のEPAを摂取するには、たくさんの魚を食べなくてはいけないのでとても大変です。しかし、食品以外からEPAを摂取する方法があるのです。ここでは食品以外でEPAを摂取するには、どのような方法があるのかを紹介します。
主に2つの方法がある
- 病院で処方されるEPA製剤
- 病院では、高脂血症や閉塞性動脈硬化症に対しての効能・効果が認められているため、治療薬としてEPA製剤が処方されます。病院では薬の名前はEPAではなく、エパデールという名前で処方されます。EPAはがん治療においては効能・効果が認められていないため、がん治療薬として処方されることはなく、自ら希望して薬を出してもらう際には保険の適用が叶いません。元々血が止まりにくい病気を持っている人がEPAの薬を使用するには注意が必要なときがあります。
- サプリメント・栄養機能食品
- 最近は昔に比べて魚の摂取量が減り、若い人のEPA摂取量が減っています。病院で薬を出してもらうにも保険が適用されないため高額になってしまいます。そこで現在、安価で簡単に手に入れることが出来るサプリが人気を集めています。今ではEPA含有量が豊富なサプリメントや栄養機能食品が多く登場しています。病院で処方してもらうEPA製剤よりも安価で、かつ手軽に入手することが出来るため、現時点では有効的にEPAを摂取する方法と言えます。食品で足りない分をサプリメントや栄養機能食品で補いましょう。
EPAサプリメントを摂取する際の注意
なんでもそうですが、やりすぎは禁物!(がん治療専門医師)
健康に良いとされているEPAですが、摂取しすぎも身体へ悪影響を及ぼします。その基準となる値は2gです。EPAを1日に2g以上摂取すると、体重や脂肪が増加したという結果が報告されています。また、アメリカでは1日に3gEPAを摂取しても大丈夫と判断されていますが、日本では3g以上摂取すると吐き気や鼻血、下痢などの症状が出る恐れがあるとされています。また、摂取しすぎることによって抗血小板作用といった副作用が生じることもあるので、EPAの摂取量には十分な注意が必要と言えます。